社長の呟き 2022年4月号「ウクライナの桜は今」

はし休め

日本橋倶楽部会報4月号(第512号)

【 四月号】

「ウクライナの桜は今」

 2017年、キエフにある日本大使館では両国の外交樹立25周年を記念して桜2500本をウクライナ各地に植樹する事業を行った。
スラブ語で辺境・国境を意味する“ウクライナ共和国”は東スラブ地域に9世紀頃、バルト海から南下してきたノルマン人が建国した“キエフ・ルーシ公国”を起源とする。しかし13世紀に入り、モンゴル帝国の侵略を受け、これら公国を束ねていた“キエフ大公国”はあっけなく崩壊する。肥沃な穀倉地帯であるが故、労役の奴隷市場でもあったこの地域の人々をスラブ人と呼ぶことから、“Slave”は奴隷をも意味する。また北欧と東アジアの血が程良く交流した結果、美女がとても多い。1917年のロシア革命によりウクライナ人民共和国として独立、1922年には旧ソ連(Union of Soviet Socialist Republics) に編入されたが、1991年のソ連崩壊により再び新国家として生まれ変わる。ちなみに“キエフ・ルーシ公国”の“ルーシ”はギリシャ語でロシアを意味するが、現代のロシア、ベラルーシもその一公国であった。2014年のクリミアから始まったロシアの兄弟虐めはついに爆風により美しづくしの国の桜吹雪を血塗られたものに変えてしまった。  小堺