社長の呟き 2020年9月号「江戸の刻は難しい?」

はし休め

日本橋倶楽部会報9月号(第492号)より抜粋

【九月号】

「From Dusk Till Dawn」(フロム・ダスク・ティル・ドーン)はタランティーノ脚本、ジョージ・クルーニー主演の吸血鬼を退治するホラー映画。和訳すれば「日没から日の出まで」、江戸では「暮れ六つから明け六つ」。江戸時代は日の出と日没を基準にして、昼夜それぞれ6等分、四から九の数字で時刻を定めた。また十二支の「子」を夜九つ(午後12時前後)とし、「卯」は明け六つ、「午」は昼九つ、「酉」は暮れ六つとなる。洋の東西を問わず、妖怪の出没する「丑(うし)三つ時」は丑の刻を4等分した三つ目の午前2時半頃となる。午前4時頃の「お江戸日本橋七つ立ち」、「午前」、「午後」、「お八つ」は現在でも通用する。城内では太鼓であったが、市井の人々に刻を告げる為、本石三丁目(現日本橋室町四丁目)に「石町(こくちょう)時の鐘」が初めて設置され、最初の3つは捨て鐘、続いて時刻の数だけ撞かれた。さて、「三半(みはん)」とは3つずつ打ち、近隣の火事を知らせた半鐘。「三行半(みくだりはん)」は夫だけが妻へ通告できた3行半の離縁状。「丑三つ」同様、居合わせたくない修羅場だが、コロナ禍からの「明け六つ」の鐘は“一刻”も早く聴きたい。 小堺