第76回 お江戸日本橋伝承会を開催しました。(講師 鈴木直登氏)

◆テーマ :「料理のはじまり」

◆講 師: 株式会社東京會舘 調理・製菓部部長 鈴木直登氏

◆ 日 : 01965日(水曜日)

◆会 場: 小堺化学工業㈱ 

東京都中央区日本橋富沢町11-7 KCIビルディング 地下MPホール 

 https://www.kosakai.co.jp/

◆時 間: 18302030

◆概 要:

テーマは「料理のはじまり」として日本古来からの日本食にかかせない道具・作法・その意味などを語っていただきました。

とにかくお話が楽しく知識豊富な鈴木氏の講演は、時間がいくらあっても足りませんでした。

令和の時代を迎えたこの時期に、宮中の儀式を数多く目にします。そして私が何よりも鈴木料理長から学びたかったことに「式包丁」(「包丁式」ともいう)がありました。

この度は、実際に「式包丁」を拝見したいという申し入れに、これは何故かなわぬかを丁寧にお話してくださいました。

先ずは、包丁式は儀式であること。(前日から身を清め、使用する衣装・道具を神の前で清める事から始めるそうです)奉納の儀(つまりテーマが必要)

包丁人 家元○○○○ (家元制のため家元の許可及び恥じる事はできない)

持出・取納・後見人・介添人が必要である(後見人は、見届けた事を報告する)

更にこの儀式に必要なのは、烏帽子(エボシ)・直垂(ヒタタレ)・大まな板(100Kg、この中央式という場所があります)・包丁・真奈箸(これらの持ち手には注連縄をつける)・板紙等専用の道具が必要になります。

単に大まな板の前に座り、食材に直接手を触れずに右手に包丁、左手に箸をもち、食材の祝いの型や法の型に切り分け並べるパフォーマンスではないということです。

VTRでの説明やデモンストレーション、道具の数々を拝見しつつも略式ながら丁寧な包丁式を拝見でき、一同大感激でした。

1140年もの前から始まった包丁式には流派があり、組織ができ、包丁家が包丁儀式を始め、包丁師となる。料理人は包丁師の事を学び、真似をしたそうです。

最後に定義がおもしろく、

餌とは食べても害のないもの、食べる事で空腹・栄養を満たす⇒食すのは人間と動物

食べ物とは、餌を何らかの人為的な行為で変えられたもの⇒食すのは天皇(神)で人間・動物ではない

料理とは行事儀式を目的として食べ物を組み合わせ、構成された物のことをいう

餌は人間・動物が食すもの、食べ物は天皇(神)が食すものつまりは、餌から食べ物にする儀式が必要であったため、天皇が包丁式なる儀式をつくらせたのではないかと言われている。神が食す儀式へは包丁師が手を触れずに調理し、人間の食すものは手で調理しても良いという事になる。

まさに、餌から食べ物に代わる瞬間ではと 稲葉敏明氏の包丁式が作られた理由という文献を拝読して理解できた気がします。

鈴木氏からは、この包丁式だけではなく、物事にはすべてに理由があるという沢山の知識を学ばせていただきました。すべてがメモ必須の90分素晴らしい講演となりました。